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 先天性QT延長症候群、Brugada症候群などの重篤な致死的不整脈の基質として、心筋細胞膜のイオンチャネルを支配する遺伝子異常が明らかになり、不整脈の中にはが遺伝子異常で起こり、分子病の一種のであるものが少なからず存在することが明らかとなり、「遺伝性不整脈」という新しい概念が誕生した。

 その後、次々と新しい遺伝性不整脈が発見され、またそれらの分子機序が明らかにされ、これらの分子機序に基づいた治療法なども明らかにされつつあり、広く臨床医家の間でも深い関心が寄せられるようになった。これらの一連の遺伝性不整脈の中には、突然死を来す疾患が多くあり、ことに運動に関連した急死の原因としても重要である。

 学校などで体育の授業中、あるいは運動選手などが運動競技中に突然死する例が毎年のように少なからずあり、これらの例では、一応、身体検査などで心電図記録も行われており、担当医から「運動可」との判定を受けている例が多く、法的問題とも関連して重要な問題となっている。

1.遺伝性不整脈の種類

 現在、注目されている遺伝性不整脈には次のような種類がある。この表の各病名をclickすると、それぞれの項目にリンクしています。

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No. 病名
先天性QT延長症候群
二次性(薬剤性)QT延長症候群
QT短縮症候群
Brugada 症候群
5 カテコールアミン誘発性多形性心室頻拍
6 不整脈源性右室心筋症
7 乳幼児突然死症候群
8 進行性心臓伝導障害(Lenegre病、Lev病)
9. 家族性心房細動
10. 遺伝性洞不全症候群

遺伝性不整脈各疾患の詳細については、上表の各疾患名をクリック。

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