症例9:心電図異常として経過観察を指示された15歳男性

心電図目次へ 症例10へ

 症例:15歳、男性
 主訴:心電図異常の精査
 家族歴、前病歴:特記すべき異常なし。
 現病歴:正常分娩で幼小児期から健康であった。小学校入学時の身体検査で心電図異常を指摘されて精密検査を受けたが、特に異常を指摘されなかった。小学時代は水泳、中学時代は剣道、高校入学後は野球部で活躍しているが、特に自覚症状はない。高校入学時の身体検査で心電図検査を受け、右室肥大を指摘され、精密検査を指示されて来院した。
 現症:身長176cm、体重64kg。血圧120/70mmHg、脈拍90/分、整、遅速(−)、硬化(−)。口腔・咽頭・正常、甲状腺腫(−)。 相対心濁音界:正常。心音:2L(第2肋間左胸骨縁)にLevine 1〜2度の駆出性収縮期雑音を聴く。腹部:肝・脾・腎をふれない。下肢浮腫(−)。

 主要検査所見
  
尿:蛋白・糖(−)、ウロビリノーゲン:正常。
  胸部X線写真:心形態、に異常を認めない。心胸郭比46%。
  心エコー図:正常。
  心音図、心機図:3L(第3肋間、胸骨左縁)に最強点を有するLevineT度の駆出性収縮早期雑音を聴取する以外に異常所見を認めない。

 下図は本例の標準誘導心電図である。この心電図をどのように診断されるであろうか?

本例の標準誘導心電図(第9例)
本例の標準誘導心電図(15歳、男性)

第9例解説へのリンク症例9の解説へのリンク