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症例:14歳,女性
現病歴:出生時からチアノーゼがある。幼少時から疲れやすく,あまり屋外で遊ばなかったが,呼吸困難,心悸亢進などはなかった。小学校1年の時の身体検査で心臓弁膜症と診断され,安静を指示された。学校までは2kmの距離で,ゆっくりなら歩けたが,100〜200m毎に休まねばならなかった。最近,体動時の心悸亢進,呼吸困難などが増悪したので,精密検査を希望して来院した。
現症:脈拍96/分,整。血圧110/70mmHg。肺動脈領域,エルブ領域にW度の駆出性収縮期整雑音を聴取する。スリル(ー)。腹部:異常なし。肝・脾・腎を触れない。
検査所見:末梢血:赤血球590万,白血球9,400,ヘモグロビン18.6g/dl。
下図は、本例の胸部X線写真である。右側大動脈弓があり,心尖部は挙上し,心陰影の左縁は直線化している。肺野は明るい (血流減少)。
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QRS軸は著明な右軸偏位を示す。V4-6では明らかなデルタ波を認める。 V1-3では、QRS波起始部にスラーを見てメルが、明瞭なデルタ波は認めない。 |
この心電図をどのように診断すべきか?