Hissaguerreらは、特発性心室細動例(206例)を早期再分極(+)群(64例)および(−)群(142例)における予後を比較し、下表のような成績を示している。
/ | 早期再分極 | ||||
+ | - | ||||
例数 | 64 | 142 | |||
観察期間(月) | 60±45 | 62±2 | |||
観察期間の四分位範囲 | 24〜90カ月 | 17〜92カ月 | |||
/ | 例数 | % | 例数 | % | |
1人当たりの VF再発回数 |
中央値 | 8回 | 12.5 | 2回 | 3.1 |
四分位範囲 | 2-35回 | 1〜6回 | |||
生存数 | 63 | 98.4 | 142 | 100 | |
過去1年以内のVF再発例数 | 5* | 7.8 | 5 | 3.5 | |
*最近は早期再分極群にはキニジン使用。 Haissaguerre M et al:New Eng J Med 358(19):2016-2023,2008 |
四分位範囲(interquartile range IQR)とは、データを昇順に並べたとき、小さい方から1/4の部位の値を第1四分位値(Q1)、大きい方から1/4(小さい方から3/4)の部位の値を第3四分位と呼ぶ。この際、四分位範囲(inter
quantile range, IQR)は次式で表される(下図)。
IQR=Q3-Q1
![]() |
特発性心室細動例で早期再分極(+)群と(−)群における不整脈発作再発率は下表の如くである。
/ | 不整脈発作再発率 |
再分極(+)群 | 41% |
再分極(−)群 | 23% |
Haissaguerreらは早期再分極の有無による心室細動発作の非再発確率の経年変化を調査し、下図のような成績を示している。早期再分極(+)群の(−)群に対する心室細動再発のハザード比は2.1(95%CI:1.2〜3.5、p=0.008)である。
![]() |
早期再分極の有無による心室細動発作非再発確率の経年変化(生命保険統計) (Hissaguerre M et al: New Eng J Med 358:2016,2008) |