Brugada症候群(1)
Brugada心電図の診断基準(コンセンサスリポート、2002)

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この第1回報告を改訂した第2回コンセンサス・カンファレンス報告(2005)はここをクリック。

最新のBrugada心電図についての国際合意報告(Lunaら、2012)はここをクリック(重要)

 1992年, Brugadaらが本症候群についての発表を行って以来、世界各地から、興味深い症例報告や研究報告が非常に多く行われるようになりました。しかし他方では、Brugada型心電図の診断に関し、著しい混乱が認められています。

 この点を解決するために、欧州心臓病学会不整脈分子機序研究グループが欧州心臓病学会の意向を受けて、Brugada型心電図の診断基準を提唱しました。いわゆるコンセンサス・リポート(2002)です。 この報告書はBrugada型心電図を添付fileに示すように、3つの型 (Type 1, Type 2, Type 3) に分類しました。

 このコンセンサスリポートの提案は以下の如くです。何れもV1-3などの右側胸部誘導についての記載です。

分類 心電図波形の特徴
Type 1  1)  coveed typeのST上昇
 2) J wave≧2mm
 3) ST 上昇≧2mm
Type 2  1) saddle-back typeのST 上昇
 2) J wave≧2mm
 3) ST 上昇≧1mm
Type 3  1) saddle-back typeのST 上昇
 2) J wave≧2mm
 3) ST 上昇<1mm

 なお、これら3型の3型の心電図の実例および鑑別診断表を下に示します。



コンセンサス分類3型
Brugada症候群のコンセンサス分類の3型の実例

これらの3型の鑑別表を下に示します。ST部(終末部)とは、ST-segmentの後半を指します。

Brugada 型心電図3型におけるV1-3のST-sgement異常
/ Type 1 Type 2 Type 3
J波振幅 ≧2mm ≧2mm ≧2mm
T波 陰性 陽性/二相性 陽性
ST-T波形 coved saddle-back sadde-back
ST部(終末部) 緩徐下降 上昇≧1mm 上昇<1mm

 この基準は,最初の合意報告で,現在はこの頁の最初にリンクとして示したLunaらの国際合意報告が最も信頼性が高く、このコンセンサス報告に記載された診断基準を用いるべきであると思います。

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